フィラデルフィア市の慰安婦像設置問題、その後の展開


2022年8月24日 AJCN代表 江川純世


昨年2021年から、米国ペンシルバニア州フィラデルフィア市の公園に慰安婦像を設置する計画が進んでいます。 平和の像計画 the Statue of Peace projectと称していますが、韓国ソウル日本大使館前の慰安婦像と同じものです。設置活動の中心となっているのはフィラデルフィアの韓国系の団体 The Korean American Association of Greater Philadelphia (KAAGP)です。 資金集めサイトには、「 1932-1945年に日本帝国陸軍によって強制的に性奴隷にされたアジアとオセアニア地域の20万人の少女と女性 (200,000 girls and women from Asia and Oceania who were removed from their homes and coerced into sexual slavery by the Imperial Armed Forces of Japan between 1932 and 1945.)」を記念するためと書いてあります。 このフィラデルフィア慰安婦像計画に対して、韓国ソウルで市民団体が反対の声明を発表しました。

AJCNは、慰安婦像設置反対を表明しているフィアデルフィア市の日本人会に今までの経験に基づき助言し、支援しています。また岸田文雄首相、林芳正外相、故安倍晋三元首相、萩生田光一経産相、自民党佐藤外交部長あてに「フィラデルフィア市公用地への慰安婦像設置計画に反対する日系人に対する支援のお願い」という嘆願書を2022年2月に提出しました。またAJCNは3月9日、設置反対の意見書をフィラデルフィア市長とフィラデルフィア市の芸術局の各メンバーに送りました。




その後の展開

1.3月中旬、フィラデルフィア市長は、この論争の的となっている問題のすべての側面が明らかになるまで、決定を「延期」することを決定しました。 日本人会、AJCNはじめ世界中からの反対意見の声が市に届き、市長のこの判断に至ったと日本人会からお礼の報告がありました。

2.その後、設置を推進するグループを含め慰安婦像設置に関する顕著な動きがありません。これは多くの反対意見、懸念を述べた手紙が継続して効果的に市に対する圧力として機能しているためと思われます。ただし設置計画が確実にとん挫したと言う状態にははるかに遠いと言うのが実感です。設置反対派は慰安婦設置問題を、フィラデルフィア市芸術局の会議の議題として取り上げさせないようにすることに今まで成功しました。これは一種の勝利と言えるかもしれません。

3.しかしながら最新のニュースでは、今まで12カ月ほど活動していなかった設置推進グループによるフォーマル・プレゼンテーションが9月19 日の委員会で行われるとのことです。これはたぶん、韓国大統領が今年、保守系の尹錫悦氏に代わり、日韓関係が改善される兆しが見えてきたので、「切迫感」が推進グループを突き動かし、今、設置許可を勝ち取ろうとしているのではないか、または次期市長選に出馬する候補が、このスキャンダルになりそうな案件を現市長の間に処理させようとしているのではという見方があります。この9月19日のSpecial Meetingでは慰安婦像設置問題に関するコメントや意見を求めておりますので是非、意見を下記のメルアドに送ってください。


日本人会は設置反対派のポジションをサポートするより多くの手紙を出してほしいと強く希望しています。皆さん方からの設置反対意見の手紙を下記2か所に送っていただきたくお願い申し上げます。

手紙の送付先
1) Phiadelphia市  city.rep@phila.gov
2)フィラデルフィア日本人会Japanese Association of Greater Philadelphia(JAPG)

 JAGPサイト:https://jagphilly.org/  

【申請されている設置予定場所】 ペンシルバニア州道95号線に沿ったFront Street