国連へ意見書「韓国の詐欺的な 市民団体によって提起された慰安婦問題」


なでしこアクションのサイトから山本代表の許可をもらって転載しました。英語版も英語のブログに掲載しています。

AJCN代表兼事務局長 江川純世

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新しい歴史教科書をつくる会国際歴史論戦研究所が国連人権理事会(44会期/2020年6-7月)に共同意見書「韓国の詐欺的な 市民団体(NGO)によって提起された慰安婦問題」(原題「A Deceitful Korean Citizens’ Group (NGO) and the Comfort Women Issue」)を5月27日付けで提出しました。
その意見書の全文をご紹介します。

国連 人権理事会 44 会期 (2020 年6月-7月)
議題4  理事会の注意を要する人権状況
経済社会理事会(ECOSOC)協議資格 NGO 新しい歴史教科書をつくる会
共同提出NGO 国際歴史論戦研究所

2020 年 5 月 27 日 

韓国の詐欺的な市民団体(NGO)によって提起された慰安婦問題

国連人権委員会において慰安婦問題を提起し、「女性を強制連行して『性奴隷』にした」と日本を非難してきた 韓国の挺身隊問題対策協議会(略称は挺対協。現在の名称、日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯、略 称は正義連)が金儲けのための詐欺団体であったことが明らかになった。挺対協は 2014 年から国連経済社会理 事会(ECOSOC)協議資格 NGO である。

このことを告発したのは、同団体の幹部として長年活動してきた元慰安婦と自称する李容洙(イ・ヨンス)氏 である。

彼女は 2007 年米国下院で慰安婦問題の対日謝罪要求決議審議の席上で米議員の前で泣き叫びながら証言を行い、2017 年 11 月にトランプ大統領の韓国訪問時に行われた晩餐会において、元慰安婦としてトランプ大 統領にハグを求めたことで世界的に有名な人物である。 李容洙氏は、2020 年 5 月 7 日、韓国の大邱市で行われた記者会見で、次の事実を告白した。

  1. 同団体が集めた寄付金が元慰安婦の為に使われたことがない。ほとんどは私的目的に使用されており、その責任は今年の 3 月まで同団体の代表を務めてきた尹美香(ユン・ミヒャン)氏にある。 
  2. 自分の慰安婦時代の経験についての証言は、同団体から言われたとおりに証言したものである。
  3. 自分は「性奴隷」ではない。尹美香氏に対して、「私はなぜ性奴隷なのか、その言葉はやめなさい」と要求したが、尹美香氏は「こう表現してこそ米国が怖がる」と言って敢えて「性奴隷」という言葉を国連で使った。

以上の三点から、同団体の尹美香前代表が、李容洙氏など元慰安婦を名乗る人々に嘘の証言をさせ、慰安婦を「性奴隷」と偽り、国連を利用して慰安婦問題を女性の人権問題として世界的に拡大し、多額の寄付金を国内外から集めて私的に利用していたことが明らかである。

現在、尹美香前代表は寄付金の私的利用疑惑や不透明な会計をめぐり、李容洙氏のみならず、複数の市民団体からも告発されており、検察による捜査が開始された。具体的には、2020 年 5 月 20 日と 21 日の両日、検察による正義連に対する家宅捜査が行われた。


詐欺的な団体に騙された国連人権理事会

慰安婦とは戦場近くで合法的に売春行為を行った人々であり、それはビルマで米軍の捕虜になった慰安婦及びその雇人に対する尋問結果をまとめた1944年10月1日付米国戦時情報局(US Office of War Information, OWI) の「心理戦報告書第 49 号」(米軍の公的資料)に「慰安婦とは、日本陸軍に随行した売春婦あるいは軍隊随伴業者に他ならない。“a comfort girl is nothing more than a prostitute or professional camp follower”」と記されていることからも明らかである。

挺対協は「日本の官憲が慰安婦にするために20 万人の韓国女性を強制連行し、『性奴隷』として虐待した」と主張してきた。だがそれは事実ではない。慰安婦の多くは経済的理由からやむを得ずそのような仕事に就いたのである。そのような中で1930 年代から第二次大戦中にかけて、多くの女性が朝鮮人の犯罪組織によって誘拐されあるいは騙されて満州や中国に売られた事件が多発した。「強制連行された」と主張する元慰安婦のほぼすべてがこのような犯罪組織の被害者であり、日本の官憲が救出に向かっていたのが当時の実態である。そのことは当時朝鮮で発行されていた東亜日報などの新聞記事に数多く報道されている。

挺対協はその事実を180 度捻じ曲げ「日本の官憲が強制連行した」と国連で訴えて世界の同情を買い、善意の人々から厖大な寄付金を集め、それを私物化してきた。

 人権条約体委員会の中では、自由権規約委員会(CCPR),社会権規約委員会(CESCR)、人種差別撤廃委員会 (CERD),女子差別撤廃員会(CEDAW)、拷問禁止委員会(CAT)、強制失踪委員会(CED)の 6 つの委員会が同 団体からの意見書を踏まえて、「性奴隷に関する犯罪に対する法的な責任を公的に認め、犯罪者を訴追し処罰せよ」と日本政府に勧告している。


我々は次のことを人権理事会に要望する

  • 韓国政府は、正義連(旧・挺対協)によって傷つけられた韓国と日本の名誉を回復するために、その責任において慰安婦問題を再調査し、その実態を明らかすべきである。
    国連人権理事会は、韓国政府にそのように勧告してもらいたい。
  • 本文に挙げた 6つの人権条約体委員会は、虚偽に満ちた正義連の言うことを鵜呑みにして、慰安婦問題に関して、日本政府に対する見当違いの勧告を出し続けてきた。各人権条約体委員会は、被害者の証言を鵜呑みにすることなく、事実をしっかり調査した上で、報告書を作成するよう強く要望する。事実をベースとした科学的 な調査が何よりも大切である。





ポスト・コロナ時代に向けて走り出した世界


Cheers 2020年6月号記事

                       
                        AJCN事務局長兼代表 江川純世


今月号では、新型コロナウイルス禍が収まった後のポスト・コロナ時代に向けて準備を始めた中国と米国の動きを中心に、それがどんな世界になるかについて考察してみる。


1. 民主主義国から批判される中国共産党(CCP)の情報隠蔽、感染拡散放置
2019年12月にSARSに似た新型肺炎が武漢で発生し、12月末に医者グループのSNSサイトで李文亮氏がこれを発信したが、武漢市公安当局はこのホイッスルブロワー、李氏を処罰した。李氏がこの病気で死亡したことはよく知られ、中国国民の怒りを買った。12月31日、台湾は、独自の調査により、SARSを疑わせる症状があることや患者が隔離治療を受けていることを明記したメールをWHOに送ったが無視された。WHOは現在中国の影響下にあり、中国の指示で動いていることに対し特に米国から強い非難を浴びている。(米国はWHO への拠出金の停止を決定し、インターネット署名サイト「Change Org.」によるWHOテドロス事務局長の辞任要求は5月1日で署名102万人を超えた)
中国の隠蔽の証拠は今アメリカによってまとめられている最中だが、1月3日時点で国家衛生健康員会が「新感染症に関する情報管理の強化」と「サンプル類の破棄」を指示した文書を発行している。CCPの理論誌「求是」のウェブサイトは1月15日、1月3日に行われた党最高指導部の会議で、習近平総書記が「1月7日に対応を要求した」と発言したと報道、その時点で中国政府が情報を得ていたことを認めた。中央政府専門家チームのトップ医師、鍾南山氏は1月19日、武漢の感染症専門病院や海鮮市場を視察し、「人から人への感染」を確認した。その報告を受け1月20日習近総書記は「感染蔓延の阻止」と「迅速な情報開示」を命じる「重要指示」を出した。情報は約2週間隠蔽されたことになる。1月23日に武漢の封鎖開始、その前に500万人の武漢市民が脱出し、中国国内外に散った。中国は春節25日の前後の休暇(1月10日~2月18日までの40日間)の約30億人の移動を黙認、多くの武漢人が日本、欧州、米国他に移動し、感染をスタートさせた。この出国放置は「未必の故意」といえる。鐘南山医師の調査チーム自身が2月28日付で、中国当局が新型ウイルスへの対策を5日早く始めていれば、感染者は3分の1に抑えられていたという論文を発表しているのだ。


2. 中国は大国の自閉症:マスク外交と金のバラマキによる懐柔策と経済報復の脅し
周辺国のリアクションに鈍感な中国の言動は「大国の自閉症」と言われている。(戦略家エドワード・ルトワック氏)前月号で豪州でのすさまじいマスクや医療品の買占めについて書いたが、世界各国で現在まで中国が買い集めたマスクは22億枚と言われている。この買占めによって各国のマスク不足が顕著になり、中国に対する反感が増した。1月中旬から中国は感染が他国に及ぶと考え買い占めを指示、自国での感染が収束すると今度は感染に苦しむ他国にマスク外交を仕掛け、「対価」と「感謝」を要求している。しかし提供されたマスクや人工呼吸器、検査キットの多くが不良品であることが発覚、各国の不信は更に大きくなった。豪ピーター・ダットン内務大臣が米国や欧州諸国と同様、新型コロナウイルスの起源について中国に透明性を要求し、独立的調査を呼びかけたが、中国の反応は、これはアメリカのプロパガンダ戦争の主張のオウム返しであり、無知と偏見の露呈という非難であった。
https://www.abc.net.au/news/2020-04-22/coronavirus-china-peter-dutton-covid-19-ransparency/12171050

A Chinese embassy spokesperson said Peter Dutton must have been told to work "with the US in its propaganda war".(ABC News: Jed Cooper)

中国 成競業大使は4月23日に豪経済誌オーストラリアン・フィナンシャル・レビューのインタビューに対し、感染拡大に関する調査を要求することは豪州産ワインや同国への旅行のボイコットにつながりかねない、留学生の親たちも友好国でないどころか敵対国ですらあるとわかった所へ子供たちを送って良いか自問する可能性もあると脅した。そして極めつけはCCPの海外向け広報メディア環球時報が豪州を"Chewing gum stuck on the sole of China's shoes".(靴底についたチュウインガム)と評し、"Sometimes you have to find a stone to rub it off," (時々石でそぎ落とさないといけない)と書き、豪州人をカンカンに怒らせた。
https://www.abc.net.au/news/2020-04-30/coronavirus-china-diplomatic-backlash/12198674


2. ポスト・コロナ時代の覇権確立に動く中国の火事場泥棒的軍事活動
中国は各国がコロナウイルス禍で苦しむ中、着々と手を打っている。

1) 中国、南シナ海に新行政区を設置
中国政府は4月19日までに、各国が領有権を主張する南シナ海に新たな行政区を設置すると発表した。南シナ海の実効支配を強める中国にベトナムが反発しており、緊張が高まっている。今後は三沙市に、「西沙区」と「南沙区」を新設し行政組織も設ける。南シナ海をめぐっては4月に入り、中国の海警局の船がベトナム漁船に体当たりして沈没させ、米国は「深刻な懸念」を表明している。


2) 中国空⺟「遼寧」など6隻が沖縄・宮古島間通過、台湾付近で軍事演習
4月10日、中国海軍の空母「遼寧」と機動艦隊計6隻が沖縄本島と宮古島間を南下、太平洋へ向けて通過した。

3) 南シナ海をめぐる米国と豪州の反応
米国は中国海軍の動きに反応し、台湾にロナルド・レーガンを中心とする空母機動艦隊とB1爆撃機、空中給油機を派遣した。(5月20日の蔡英文大統領就任式対策)
米国は2018年3月、米空母カール・ビンソンをベトナム(ダナン港)に歴史的寄港をさせた後も空母セオドア―・ルーズベルトをベトナムに派遣している。豪州は海軍のフリゲート艦HMASパラマッタを南シナ海に送り4月22日米軍と合同演習を行った。HMASパラマッタは、この地域の安定と安全の強化目的で、過去2か月間、南アジアおよび東南アジア全域で活動している。
演習中のHMAS パラマッタと米空母(Twitter: Department Of Defence)


3. 中国の覇権拡大の動きに対抗する米国の報復策
武漢ウイルス抑え込みに苦しむ自由主義国を尻目に、中国は発展途上国に対し「債務の罠」を仕掛け、これらの国々を支配する力を強化している。ポスト・コロナ時代における中国の挑戦を察知している米国は中国への報復計画を練っている。4月28日AFPはトランプ大統領が中国に損害賠償請求の可能性を示唆したと報道、4月29日、フランス国際放送局は香港経済日報の報道を引用し、すでに米、英、伊、独、エジプト、インド、ナイジェリア、豪州8か国の政府,民間機関が訴訟を起こしているとした。賠償訴訟の請求金額にミズーリ州の請求額を加えると1京1,000兆円(100兆ドル)を上回る。トランプ大統領の指示で、米政府当局者が報復行動プラン作りに入ったと5月1日ワシントン・ポストが報じた。具体的には中国政府を裁判にかけられるよう国家主権免除を剥奪したり、中国からの輸入品に1兆ドルの関税をかける等である。
ポスト・コロナ時代はアメリカを中心とする自由主義国と中国とそれに同調する少数の独裁主義国のDecoupling: 非干渉化が進むであろう。サプライチェーンを見直し、安全保障上問題となるコアーソースの調達網から中国が排除される。米国ではスタンフォード大学やMITのような有名校が中国人留学生の受け入れを停止し始めた。CCPの先兵として海外で動く留学生や、先端技術を盗んで母国に持ち帰る研究者の動きを阻止する動きは強まるであろう。これと並行し自国企業の中国への投資と中国企業の自国重要企業への投資の制限も進む。世界はブロック化に向けて走り始めた。豪州が中国依存の体質をどう変えていくのか注視したい。




“黒”を“白”と言い、“放火犯”が“消防士”を気取る中国政府のプロパガンダ


Cheers2020年5月号記事

                         AJCN事務局長兼代表 江川純世


昨年11月に武漢で発生した新型コロナウイルスは変異を繰り返しながら、世界5大陸に蔓延している。まず中国が、新型コロナウイルスの起源問題を米国との情報戦で使える「弾」として使い始め、諸外国を巻き込んだ米中間の非難合戦が激化している。余波はCHQと揶揄されているWHOにも及び(現在米国は中国寄りを理由にWHOへの拠出金停止を検討中)、豪州も巻き込まれている。この情報戦のあらましと豪州での中国共産党指導による企業ぐるみの医療品買い占めと慈善活動を装った“マスク外交”について解説する。


1. 誰も信用していない中国のデータ
一党支配の元、隠蔽、データ操作が常識の中国政府から出された新型コロナウイルスに
関するデータは明らかに過少と見られている。それゆえ中国を含めたデータの相対比較は意味がない。専門家によれば中国の死者数は報告されたデータの3倍~5倍、感染者数は10倍と見積もられている。

1) 無症状の感染者数、統計への不算入
李克強首相は3月30日、無症状の者は感染者の統計に加えていなかったと述べた。

2) 武漢での死者数の隠蔽
武漢市は3月31日、新型コロナウイルス感染による死者が累計で2,548人になったと発表した。この数字は、実際の遺骨の多さに比べて極端に少なく、市民は「全く信用していない」。米政府系放送局ラジオ、フリー・アジアによると、感染拡大ピーク時の1カ月間に2万8,000人の遺体が武漢で火葬されたという。


2. 中国は1月中旬から情報戦を準備
中国共産党は、ポスト新型ウイルスを意識して中国批判をかわすためプロパガンダ戦展開が必要と判断、新型コロナウイルスを何週間も放置し蔓延させた国(放火犯)としてではなく、ウイルスに勝利し他の国々を救おうと善行努力している国(消防士)として自身を描こうと新しい“物語”を紡ぎ始めている。中国政府は、偽情報/数字の操作、陰謀説、WHOに対する影響力行使、さらにコロナウイルスに対する中国の勝利の英雄的な物語を伝える本さえ刊行し歴史の再構成に努めている。その成功物語の一つは治療装備を備えた病院というよりも雨漏りのするプレハブ検疫収容所という事実を隠しながら、わずか10日間で2千床の「コロナウイルス病院」を建設したことである。建設の過程を世界中のウエブやメディアに流し、その驚異的建設速度と規模を強く印象付け、ウイルス抑え込みに成功し4月初めに閉鎖したと発表した。


3. 米国の中国のプロパガンダに対する怒りと非難
米国側では習近平政権が武漢での集団感染が明白になった後もその事実を隠蔽したことが世界中への蔓延を早めたという認識で一致している。その前提で「武漢ウイルス」との呼称が定着している。中国当局は3月4日「ウイルスの発生源がどこであるかについてまだ結論は出ていない」と反発、3月5日にも「このウイルスの発生起源についてはなお調査が進行中である。このウイルスを中国ウイルスとか武漢ウイルスと呼ぶことは証拠もなしに中国に発生の責任を負わせようとする不当な動機に基づいている」と言明した。3月6日ポンペオ国務長官はワシントンでのテレビ・インタビューで、中国側がウイルス感染症の起源をあいまいにし始めたことに対するトランプ政権の公式の反論として「これはまさに武漢コロナウイルス」と述べた。

3月13日中国外務省の趙立堅副報道局長は、ウイルスの発生源が米軍の研究施設だと推測する記事をツイッターで紹介し、拡散を呼び掛けた。趙氏は12日夜には「武漢市にウイルスを持ち込んだのは米軍かもしれない」と主張した。中国外務省の耿爽副報道局長は13日の記者会見で、「ウイルスの発生源は科学的な問題だ」とのみ述べ火消しに努めたが、一連の発言はさらに米国の怒りに油をかけたことになる。


3月25日、ポンペオ長官はG7のテレビ会議後の記者会見で、中国の「意図的な偽情報工作」について議論したことを明らかにし、新型コロナの流行に関して引き続き正確な情報が必要と訴えた。
4月1日、トランプ大統領は中国が発表している統計数字は「やや少ない」ようだとの見解を示した。米ブルームバーグは米情報局が機密報告書で中国の感染者数と死者数を過少報告されていると結論付けたと報じた。
一方共和党議員が外国の公務員が偽情報を流した場合、個々人のビザの取り消し、資産の凍結などの制裁を科すなどの法案を準備中である。そのほか米国の個人、グループが中国政府を相手取り、情報隠蔽のために損害を受けたと賠償を請求する裁判がスタートしている。米国は中国から受けた甚大な被害を回収しようとする動きを示しているので、中国共産党内部では「米国に融和的な対応すべきとする派」と、「一連のプロパガンダ戦を維持・強化すべきという派」の対立も生まれるかもしれない。中国はいかなるプロパガンダを講じようとも「事実」に勝利することはできないであろう。


4. 豪州での中国共産党指導による医療品買い占めと慈善的協力
中国の報道機関によれば、中国は韓国、イラン、フィリピン、スペイン等の国に数百万のマスクを寄付、イタリアにも人工呼吸器と200万枚のマスクを提供した。最近フランスに10億枚のマスクを出荷すると発表したが、Huaweiから5G機器を購入した場合に限るとの条件付きで話題になっている。習国家主席は「中国の物語を伝え、中国の声を広めよ」と繰り返し指示しており、“マスク外交”はこのプロパガンダ戦の基幹戦略となっている。
一方1月24日から2月末にかけて中国系企業が世界的に(ヨーロッパ、豪州、ブラジル等で)医療品を独占する活動をしていたことが明らかになっている。この間中国はマスク20億枚、防護服2,500万着、約12億ドルを輸入した。ここ豪州でも複数の中国系企業が社員を総動員して医療品やその材料を大量購入し、中国に送っていたとシドニー・モーニング・ヘラルドが報じた。一社は中国不動産大手のグリーンランド・ホールディングス(緑地集団)で豪州やその他の国で外科用マスク300万枚、防護服70万着、手袋50万セット、消毒液とウェットティッシュを大量購入していた。グリーンランド・グループは1992年に上海で設立され、董事長の張玉良は共産党員である。

GOGOTSU 2020年4月2日 武漢に送られた医療品

ジ・エイジ紙は3月31日、1月初めに鄺遠平(こう・えんぺい)という人民解放軍の元軍人と組織犯罪に関与している民間組織が豪州で医療物資を買いあさり中国に送ったと報じた。鄺はHuaren グループを経営、さらに複数の豪州民間団体のリーダーである。これらは中国共産党からの支援を受けており、一部は統一戦線部と直接的なつながりを持っている。鄺が豪州で調達した医療用物資は医療用防護服3万5000着、手袋20万セット、消毒液10トンと報じられている。

鄺遠平と大量の医療品 SMH  March 31, 2020

中国共産党がサポートするこれらの組織が豪州で医療物資を大量に調達したことが、豪州の現在の医療物資不足を引き起こした可能性がある。多くの中国資本の企業や海外組織は豪州だけでなく欧米の各国で爆買いを行っている。グリーンランドは日本でも合弁会社を持っており、ここが日本での医療品買い占めに関わったと考えられる。買い占めをした後、今度はソフトパワーによって豪州に医療品を提供する「慈善活動」によって豪州への政治的影響力を強めようとしていると豪州の関係者は警鐘を鳴らしている。




ダイヤモンド・プリンセスの船中は戦場であった


Cheers 2020年4月号記事

― 今の戦いの経験が将来の人類の敵、新しいウイルスとの戦いの武器となるー


世界は中国武漢から発生した新型ウイルスとの戦いの真最中である。「正体不明」が人を種々のパニックに走らせているが、蓄積されている医療関係者の知見、様々な治療薬の効果確認、疫学データ(感染者と感染経路の確認)により、ウイルスの塩基配列、亜種の確認、感染力、死亡率などが明らかになりつつある。
各国の対策の効果は、後日分析され、評価の対象になるであろう。今月号では、閉鎖空間のクルーズ船、ダイヤモンド・プリンセス号(以下「クルーズ船」)における日本とウイルスとの戦いを、戦争になぞらえてみる。米国のメディアに「感染の温床」と批判された日本の検疫保留措置は、見えない敵との圧倒的に不利な環境下での局地戦争そのものであった。もともと難易度の高い船舶内ウイルス感染と戦ったのは、船舶知識に乏しい感染症専門家達と「素人集団」厚労省の官僚であった。そして今、サンフランシスコ沖に留まっているクルーズ船、グランド・プリンセス号でのアメリカ政府/CDC(アメリカ疾病管理予防センター)とウイルスの第2ラウンドのゴングが鳴らされた。「クルーズ船」内での戦いの前例もあり、安全保障意識も高い専門家集団であるCDCの戦いに注目したい。

https://www.nhk.or.jp/politics/wp-content/uploads/2020/03/0304bus.jpg
写真:NHK

まず非常時の危機管理、緊急対策を成功させるには強い危機感が必要となるが、日本政府の新型ウイルスに対する危機感は当初驚くほど低かった。それこそ「ギャンブル」と言われるほど「そんなに広がらない」と楽観的に構えていた節がある。今回のクルーズ船対策を戦争に見立てると、この局地戦は下記のように概括できる。


1. 戦争開始の判断 
国際法の「旗国主義」によれば公海上の船舶は所属国(今回のケースではイギリス)が取締まるという考え方がある。「クルーズ船」には3,711人の乗客、乗員が乗っており、その約半数が日本人ということもあり、日本政府が人道的に引き受けたと理解されている。まずこの引き受け判断についての議論がある。日本政府は、2月1日に香港を出港し感染者が乗船している疑いがあったウエステルダム号(日本人5人を含む)の寄港を拒否している。
開戦を覚悟するには勝つための戦略と戦術/オペレーションの実施計画と作業手順の共有が必要である。また検疫のための専門家と検疫機材の確保、ロジクティックスの準備(下船者の移動手段、隔離施設、治療機関など)を並行して行わなければならない。これらの準備なしに戦争に突入するのは場当たり的ギャンブルであり、日本へのウイルス上陸阻止を最優先で考えるなら、イギリスに任せるのも一法であった。受け入れるなら関係各国、機関と談合して、乗船者引き取り含め日本の方針に従うよう段取りを決めておくべきであった。


2. リーダーシップ
戦いの遂行には縦の指揮命令系統を明確にし、関連する組織、機関との横の連携を統制することが必要となる。戦争の現場は錯誤と情報の混乱の連続である。そのため現状認識に影響する情報の訂正と作戦の変更・改善は頻繁に行われるため、その命令は適宜単純明快に伝達されねばならない。「クルーズ船」の事案の統括責任者は誰であったのか?記者会見を行ったのは主に厚労省の加藤大臣であったが、一貫した方針の広報がなされた記憶はない。


3. 戦争目的
本来の目的は(1)国内へウイルスを入れない、(2)船内での感染者を増やさない、死者ゼロ(3)乗客の安全かつ早期の帰宅・帰国を支援するという三つであったはずであるが、これらを完璧に実現するゼロ・リスクの方策は存在しない。日本政府は2月20日、80代の日本人男女2名の死亡報告を受け、アウトブレークによる患者の一極集中の恐ろしさを知り衝撃を受けた。当初の目的はウイルスの日本上陸阻止と乗船者の死亡ゼロであったが、感染拡大を知り、海外からの人道的配慮要請の声が高まるにつれ、船内の感染拡大防止、感染者救助に目的を転換した。


4. 戦略
当初隔離政策が基本であったが、転換後検疫で介入、感染重症者下船、最終的には全員下船させた。(3月1日下船完了)


5. オペレーション、検疫の状況

橋本岳厚生労働副大臣が投稿したクルーズ船内部の写真。左側に黒字で「清潔ルート」、右側に赤字で「不潔ルート」と表示。あちこちに隙間があり、隔離は不完全のように見える。手前(写真撮影者位置)が清潔/不潔のクロス・ゾーンになっている。

「クルーズ船」は、1月20日、横浜港を出発し、2月3日に横浜港に帰港した。この航行中1月25日に香港で下船した乗客が発熱し、2月1日に新型コロナウイルス陽性であることが確認された。そのため、日本政府は「クルーズ船」に対し、横浜港での乗員乗客の下船を許可しなかった。2月3日から2日間、検疫官が全乗員乗客の健康診断を行い、症状のある人およびその濃厚接触者の検査の結果、2月5日に陽性者が確認されたことから、同日から14日間の検疫が開始された。(19日まで)この時点でクルーズ船には、乗客2,666人、乗員1,045人、計3,711人が乗船していた。陽性者は下船し、国内の病院で治療、隔離された。陽性者の同室者は「濃厚接触者」として検査され、陽性であった場合は同様に下船し 病院に入院し、陰性であった場合は、陽性患者との最終接触日から14日間船内での隔離となった。2月18日の時点で、65名の乗員と466名の乗客を含む、531名が陽性確定数であった。データから2月5日に検疫が開始される前にウイルスの実質的な伝播が起こっていたことが分かっている。クルーズ船の船長は感染情報を知っているにも関わらずダンスパーティー他の船内イベントを中止せず、感染拡大を招いた。特記すべきは、クルーズ船の性質上、全ての乗員乗客を個別に隔離することが不可能であったことである。乗員はクルーズ船の機能やサービスを維持するため任務の継続が必要とされたが、濃厚接触している乗務員の役割を生物兵器対策部隊を持つ自衛隊員で肩代わりしたり、民間船を徴用し病院船として隔離施設に使う対策案もあったが具体化しなかった。


6. 戦闘教義
最後に自軍の得意技である戦闘教義について触れる。作戦遂行において自軍が慣れ、相対的に強いことが証明されている必殺技が使われる。今回の戦いにおいて日本の強みとは何であろうか。それは

1) 日本人の政府が決めた方針を受け入れ、実行する精神風土。
2) 手洗いなどを励行する衛生観念と充実した医療体制。

医療体制についてはPCR 検査体制の拡充と簡易検査キットの配備等課題もあるが、批判に応え改善していくことは間違いない。高い市民の民度が日本の風土と底力を形成している。それはジョン・ホプキンスのウイルス拡散状況を示すデータでも示されている。精確な相対比較は意味ないが、各国の感染者数、死者数、回復者数の推移からその国の状況が見て取れる。中国を筆頭に日本の確認感染数は9位502(死亡6)、オーストラリアは21位76(死亡4)となっている。(3月9日、データは時々刻々更新)
https://gisanddata.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6
ウイルスとの戦いは続くが、死者数が戦いの結果を決定づける。1818~19年にかけて猛威を振るったスペイン風邪の犠牲者は日本で45万人/人口5,500万人、オーストラリアで1万5千人/人口500万人であった。この時の休校、イベント中止等の集団隔離策が効果大であったことがデータから実証されている。




世界を震撼させている新型コロナウイルスによる武漢肺炎、豪州の対応は?


Cheers 2020年3月号記事

AJCN 事務局長兼代表 江川純世


新型コロナウイルスによる武漢肺炎の発生・拡大を知り、まず思い出したのが1995年に見たダスティン・ホフマン主演の映画「アウトブレーク」であった。この映画で得たウイルス感染に関する基礎知識が、今回武漢肺炎拡大について調べるモティベーションとなった。私は過去中国大陸を仕事と個人旅行で20回数回訪問した。訪問地は今回の冠状肺炎の発生地である武漢も含まれる。その時得た知見も加え、中国大陸で急速に拡散を続けるこの感染症についてレポートする。


1. 武漢とは
中国全図を四つ折りにすると、真ん中に来るのが内陸の大都市、武漢である。揚子江が東西に横切り、下流には上海、上流には工業都市重慶がある。北方の北京と、南の広東省や香港を結ぶ中間点でもある。 武漢市には東京並みの1100万人が住む。最近は高速鉄道で全国各地と結ばれ、自動車製造などの工業の他、国策で世界最先端の光/半導体産業の中核都市にしようとする動きもあった。春節の休暇前には、4日間で1万7千人近い観光客らが武漢空港から日本に押し寄せた。ちなみに中国人の訪日観光客の数は1月2日から2月1日までで34万人であった。



2. 武漢肺炎発生・拡大の経緯、中国の地方と中央政府の隠蔽、初動の遅れが拡散に拍車
COVID-19と命名されたウイルスの正体はわかっていない。これが人々を恐怖させる最大の理由である。また人→人感染することは同じだが、インフルエンザと違い、無症状感染者にも感染力があることがわかっている。一旦陰性と判断されても後で陽性になる症例もある。潜伏期間は平均5日、14日までと見られており、感染形態は接触、飛沫、エアロゾル感染と言われ、致死率は約2%でインフルエンザの約10倍、SARSより大幅に低いとされている。しかし免疫力の弱い高齢者や既往症を持った人が感染すると重症化する。
時々刻々と変化する拡散の状況は医学界で名の通った米ジョンズ・ホプキンス大学の情報サイトで見ることができる。下はこの記事を書いている2020年2月8日午後1時43分現在のデータである。
https://gisanddata.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6
日本は中国に次いで2位となっている。7日から日本政府はクルーズ船内の感染者数を別枠としてカウントし、汚染国との印象を弱めている。豪州では15人の感染が確認されている。中国では検査を受けられない人も多く、実際の数字は一桁多く見るのが妥当と言われている。


発生源は当初武漢市の海鮮市場とされていたが、多くの市場訪問者が感染し、拡散したことは確かだが、感染源かどうかについては疑問視されている。
そして今 陰謀論との批判があるが、武漢にある2か所の国立バイオロジー研究機関からの流出の可能性が論じられている。2018年から運用開始した毒性の強いウイルスの研究機関で、最高レベルの安全管理基準BSL-4に準拠した施設だ。この研究所についてウイルス漏洩の警告が2017年に学者からなされている。最近では1月28日、アメリカ司法省広報室WEBサイトがハーバード大学(武漢理工大学でも勤務)の教授が中国スパイとしてウイルスの密輸で逮捕された記事を掲載、また米ブログのゼロ・ヘッジは武漢ウイルス研究所でコロナウイルスに改変を加える研究を行っていた中国人科学者を特定、その論文を公開した。注目されるのは遺伝的に改変されたコロナウイルスには自然免疫の経路に耐性がないため、世界中の誰にでも感染するというもので、今回の強い感染力を持つ新型ウイルスの姿そのものである。

SNSやメディア上にこの肺炎の情報が上がり始めたのは12月からである。中国国内で何が起こっていたのか、その経緯をここでは書かないが、初期は武漢市と湖北省による隠蔽と、新型コロナウイルス発見の情報を無視し、20日ほど北京政府が事態を放置、初動対策せずこれが蔓延につながったと言われている。ターニングポイントとなった1月20日、習近平主席が「重要指示」をやっと発布、それを境に中国内はパニックに突入した。


3. 中国からの訪問者を入国拒否する国続々、感染症対策の原則は「隔離」
1) 中国に遠慮したWHOの動きにとらわれることなくこの原則に従い素早く対応したのは北朝鮮と米国であった。隔離対象は中国そのものである。
アメリカは早いタイミングで「非常事態宣言」を出し、厳格な予防策をとった。昨年10月にニューヨークで行われたコロナウイルスのパンデミック想定シュミレーション(イベント201)の結果に基づき政府が対策マニュアルをまとめ、それに従って米国独自の隔離政策を取っていると言われている。このマニュアルは安全保障に関する情報共有グループ、Five Eyesにも回覧され、豪州含む4か国の対策は米国とほぼ同一レベルになっている。
 
2) 豪州の取り組み
モリソン首相は、2月1日最高警報レベル4を宣言した。
中国への旅行をしないよう勧告。この制限は、中国のあらゆる場所に適用される。
豪州市民または永住者の場合、彼らの身近な家族(配偶者、扶養されている子供、または法的保護者)を含め、豪州に到着した後すぐに出発地に戻らない場合、クリスマス島の検疫センターで2週間滞在させ強制検疫を受けさせる。現在希望者(湖北省には600人以上の豪州人が居住)をチャーター便で順次帰国させている。中国在外国人については中国を出国してから14日間は豪州への入国を拒否。
これらの制限は中国本土にのみ適用される。(香港とマカオは規制の対象地域から除外)
The detention centre on Christmas Island.
The detention centre on Christmas Island. AAP

3) 日本の対応 
アジアの国々が次々と厳格な予防策へと移行する中、日本は「湖北省に日本到着前14日以内に滞在した外国人と、湖北省発行の中国旅券所持者の入国を2月1日から当面禁止する」に踏み留まっている。中国の個人旅行客は続々と日本に入国しており隔離政策の大穴になっているためもっと厳格な措置を講じるべきとの批判が多い。


4. 豪州、シドニーで何が起こっているか
豪メディアを読むと都市のDeserted(砂漠化)という言葉がよく出てくる。
それは筆者が撮った写真を見れば一目瞭然である。これは2月1日のランチタイムのタウンホール付近である。普通であれば観光客や市民で混雑しているが、閑散として人影は見えない。
C:\Users\Owner\Documents\慰安婦像問題\Cheers 関連\Cheers2020年3月号記事materials\土曜昼近くのタウンホール 2020年2月1日.jpg

こちらは中華系住民が40%を占めるEastwoodの街並みである。店は閉まり、歩く人もまばら。(2月1日Dairy Telegraph記事)


下は私がよく使うHornsbyの中華系スーパーであるが、客も少なく、客とスタッフがマスクをしている。(筆者撮影)
C:\Users\Owner\Documents\慰安婦像問題\Cheers 関連\Cheers2020年3月号記事materials\EDIT マスクをして作業すルレジ係 Hornsbyの中華系スーパーで2 2020年1月30日.png C:\Users\Owner\Documents\慰安婦像問題\Cheers 関連\Cheers2020年3月号記事materials\客も従業員もマスク Hornsbyの中華系スーパーで 2020年1月30日.jpg

モリソン首相は、ブッシュファイアに続き武漢肺炎のパニックが豪州にもたらす経済的悪影響は甚大になろうが、まだその規模は計り知れないとの声明を出した。すでに観光/旅行業、水産業、小売り業を中心に深刻な打撃が報告されている。
10日過ぎから春節休暇が明け、中国では億単位の人の移動が始まり感染の様子も変わってくる。新型肺炎のピークは3月~5月と見られているが終息宣言が出るまで気を抜けない。


最後に新型ウイルス対策として個人でできる有効な対策をまとめたのでご励行を。

  1. こまめに石けんと流水での手洗いまたはアルコール消毒剤を用いた手・指の消毒。
  2. マスクを持っていない場合、咳やくしゃみをする際は、ティッシュや腕の内側などで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけて1m以上離れる。鼻汁や痰の付いたティッシュはすぐにゴミ箱に捨て、手のひらで咳やくしゃみを受け止めた時はすぐに手を洗う。
  3. 外出時は人ごみの多いところは避け、マスク着用を。





中国人スパイ亡命騒ぎの余波とメルボルンに設置された慰安婦像について


Cheers 2020年2月号記事

昨年11月14日にメルボルンに慰安婦像が設置されました。AJCNは、像がどんなところに置かれているか、碑文に何が書かれているか現地調査を行いました。写真や碑文の内容に関する分析など、

この記事(Cheers 2020年2月号に掲載)をお読みくださればその詳細がわかります。記事の前半では、昨年中国人工作員が豪州に駆け込んで、香港や台湾での中国共産党のプロパガンダ工作について豪州保安機関(ASIO)に情報を提供した事件の波紋について豪州からの視点で報告しています。


AJCN 事務局長兼代表 江川純世


先月号では、中国のスパイ活動に従事した中国人、王立強(ワン・リーチャン)氏の亡命騒ぎと、彼の行なった香港や台湾での工作活動に関する提供情報の内容、その背景について詳しく報じた。今月号ではこの事件の後に、豪州で何が起こったか、その余波について触れる。また昨年11月14日に除幕、メルボルン韓人会館前の駐車場に設置された慰安婦像の概要について、現地のメンバーおよび協力者からもたらされた情報をもとに報告する。


1. 中国人スパイ亡命騒ぎの余波

●スパイ亡命事件の続報
王氏の情報提供のために台湾で拘束された王氏の上司であった向心(シャンシン)氏についていろいろな情報が出てきている。彼は大陸に帰れば共産党内で副省長(中国では省は一国に相当)クラスのかなり高い地位にある幹部であることが分かった。中国のスパイ活動の研究者である米国のピーター・マティス氏(Peter Mattis /Research Fellow in China Studies at the Victims of Communism Memorial Foundation)は著作出版の記者会見の席上、向心氏がスパイ活動容疑で捕まったからには大陸に帰ると命の保証がないので、台湾にいさせてほしいと考え、そのために彼のやったこと、知っていることを進んで話している可能性があると述べた。彼はアメリカ軍の情報も盗んだとされており、かなりの情報が台湾当局経由で米国と豪州に流されているとみるべきである。当然日本にもこの情報は流れている可能性があるが、日本にも中国のスパイが多くいるため情報の扱いには注意が払われるであろう。

https://www.1242.com/lf/asset/uploads/2019/12/IR2.jpg
(左)中国企業「500ドットコム」の本社事務所が入居する広東省深圳市のビル=12月25日(共同)
(右)元政策秘書と元私設秘書の自宅などが東京地検特捜部の家宅捜索を受け記者団から質問される自民党・秋元司衆議院議員=12月9日午後、国会内 写真:産経新聞社

昨年末25日に摘発されたIRプロジェクトがらみの中国企業(500ドットコム)と日本のIR関係者(国会議員含む4名逮捕、接待を受けた12人のリスト流出)の贈収賄事件もその情報提供の起こした波紋かもしれない。「500ドットコム」の親会社は精華紫光集団で重役の一部は最近まで重複していて両社は一体とみられるが、日本のほとんどのマスメディアはこれについて報道していない。
同集団は中国の清華大学が経営していて、その清華大学は中国共産党が直接支配している国立大である。従って同集団は事実上の国有企業集団であり、中国の国策に沿って企業展開している。つまり「500ドットコム」の贈賄は中国共産党=中国の指導の下に行われており、その目的は直接的なカジノ利権の確保といった些末なことではなく、「IRにおけるオンラインカジノ導入」を名目として清華紫光集団のAI技術やビッグデータ解析、IR内監視カメラシステムなどの売り込みを図ったと考えるのが自然である。これが何故日本の安全保障にとって由々しき問題かというと、IR運営、特にカジノ関係では「マイナンバー」カードの活用が決まっており、ソフトウェア面でこれに関与出来れば日本の国家システム自体に直結できる。つまり「カジノ」を通じて日本国民のデータを取り込んだり、日本政府の他のプログラムに侵入出来る。そうなると日本は首根っこを中国に押さえられたも同然となる。またカジノはマカオの例を見れば明らかなように、黒い金を洗うマネーロンダリングの有効な手段であり、中国大陸の膨大な金が、外貨経由で米ドルに換金される兌換機能も持つ。オンラインカジノともなれば、カジノで使われる仮想通貨が海外のどこでも外貨で引き出せる事態となれば、日本の不動産が日本のカジノに持ち込まれた黒い金で買われていく事態にもなりかねない。
日本が中国のこのような浸透工作の根を断ち切ることは米国が5Gでの覇権を狙うファーウエー潰しを図っていることと通底する。カウンター・インテリジェンスは一国だけではなく多数の国が連携しているが、日本政府が安全保障の観点からどれだけこの問題の深刻さを自覚し、関与しているかは不明である。

●豪州政府は情報機関ASIO(米国のFBI、英MI5 相当)とオーストラリア通信局(ASD)、国防情報部の主導による精鋭情報特別ワーキンググループを設立し、外国の浸透工作、諜報活動などの国家安全上の脅威を疑似戦争状態と仮定して対応するための準備を開始した。実質この組織は中国スパイ摘発のための精鋭対策組織である。大事な点はこの組織を作るのに、新たな法的な処置を必要としない点で、日本なら大騒ぎになるところであろう。
PM announces taskforce to counter foreign interference (ABC News)

このタスクフォースに加わるオーストラリア信号局ASD(Australian Signals Directorate)はDefense Strategic Policy and Intelligence Groupの中の組織で、外国の信号情報、軍事作戦への支援、サイバー戦争、情報セキュリティを担当する機関である。ここが加わったということは、疑似戦争状態と仮定して盗聴を含めて何でもありのリアルな戦時の戦術対応を実行するということである。オーストラリア当局としては、目下ASIOはオーストラリア連邦警察(AFP)と情報を共有して、機密情報保護の機能を強化し、情報周辺者と目される怪しい人物を洗い出し、ひそやかに国外に退去させるという。このために約9000万豪ドルの初動資金が準備されたとも伝えられている。
関連記事:
Spies called in to oversee taskforce amid heightened foreign interference threat
https://www.abc.net.au/news/2019-12-02/asio-to-lead-foreign-interference-taskforce/11756060

PM to spend nearly $90 million on foreign interference taskforce(ラジオ)
https://www.abc.net.au/radionational/programs/drive/pm-to-spend-nearly-$90-million-on-foreign-interference-taskforce/11758368

この動きに伴い昨年12月からASIOは猛烈な人材のリクルートを開始した。私のところにもIndeed経由で求人の情報が回ってきた。下記はASIOのホームページからであるが、日本語分析者は対象外であった。


● 12月12日 ABCテレビで在豪アーサー・カルバハウス米国大使が中国政府のオーストラリア居住者に対する嫌がらせに対し、豪州政府はより強い行動をとるべきと注文を付けた。
US Ambassador to Australia Arthur B. Culvahouse jnr, Prime Minister Scott Morrison and Opposition Leader Anthony Albanese at Parliament House in October. SMH CREDIT:ALEX ELLINGHAUSEN

2019年9月号で取り上げたクイーンズランド大学での中華系学生同士の香港問題に関連しての衝突に続き、ウイーグル系居住者を中国共産党のエージェントが監視している問題について、豪州政府に強い要請を行う形になった。アーサー・カルバハウス氏は、ABCテレビで、オーストラリアのウイーグル人は中国政府のエージェントによって監視および追跡されており、中国のブリスベン総領事、Xu Jie氏は、香港大学の民主主義デモ参加者に対する反対を奨励していたと述べた。

Pro-China and pro-democracy protesters clash at a rally in Sydney. CREDIT:AAP

12日の朝の大使のコメントは、クイーンズランド大学での抗議リーダーであるドリュー・パブロウ(Drew Pavlou)氏がワシントンDCで米国政府高官と会い、オーストラリアでの中国政府の嫌がらせに関する彼の懸念を話し、議論したわずか数時間後に発せられた。
パブロウ氏は、米国での会議での米国の反応について、オーストラリア政府よりもアメリカ政府のほうが中国政府の犯罪行為に対しより大きな懸念を示していたと述べた。
パブロウ氏は、今年初めにクイーンズランド大学のキャンパスで開催した親香港の民主主義派の集会で、覆面をした男性に2回襲撃された。その後、Xu Jie総領事は親中国政府のカウンターデモ参加達の「愛国的な」行動を支持する旨の声明を発表し、パブロウ氏は中国の国営メディア(環球時報)で名前をさらされた後、殺人の脅迫を受けるようになった。Xu Jie総領事は声明の中でパブロフ氏に対する暴力行為を特に支持するといった表現はしていない。パブロウ氏と彼の弁護士は、警察に対しXu Jie氏に対する訴状を作成し、州の「平和と善行法」Peace and Good Behaviour Actの下での拘束命令を求めた。
中国のウルトラ・ナショナリストまたは中国共産党が組織するSNSプロパガンダ実行部隊(5毛党、1件の書き込みで1毛を得る。1毛は8.5円)が、オーストラリアをはじめ海外に住んでいる中国共産党批判者をターゲットに、反対意見を封じ込めることを目的とした悪質なオンラインキャンペーンを行っていることは広く知られている。

関連記事:
US ambassador claims Chinese agents at work on Australian streets
https://www.smh.com.au/politics/federal/us-ambassador-claims-chinese-agents-at-work-on-australian-streets-20191212-p53jie.html

US ambassador claims Chinese agents at work on Australian streets
https://amp.9news.com.au/article/06f11df6-08e2-4d3a-be55-c5cc8153f3a7#referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.com&amp_tf=From%20%251%24s

'Humiliating': Chinese nationalist trolls target critics in Australia
https://www.smh.com.au/national/humiliating-chinese-nationalist-trolls-target-critics-in-australia-20190819-p52in4.html


2.メルボルン慰安婦像について

慰安婦像の除幕式が昨年11月14日にモナッシュ(Monash)市オークリー(Oakley)の韓人会館(the Korean Society of Victoria)前で行われた。シドニー近郊のアッシュフィールド市にある教会(Uniting Church Ashfield)裏の駐車場に設置されている慰安婦像に続き、豪州では2体目、海外に設置されたのは、米カリフォルニア州グレンデール市(13年7月)などに続き今回で10体目となる。除幕式に出席するためオーストラリアを訪問中のソ・チョルモ華城市長も除幕式に出席した。韓国京畿道華城市は像の海外設置を積極的に支援し、同市が支援、設置した像は今までカナダ・トロント(2015年11月)、中国・上海(16年10月)に続きこれで3体目である。今回設置された像は、華城市が14年8月に同市の東灘セントラルパークに設置したものと同じもので、愛知県で開催された国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で一時中止になった企画展「表現の不自由展・その後」に出展された少女像を製作したキム・ウンソン/キム・ソギョン氏の作品とのことである。華城市長は「少女像の建立は慰安婦被害者の傷を癒やし、日本軍の性奴隷蛮行を世界に知らせる趣旨で始まった」とし、「平和に向けた華城市民とメルボルン韓人同胞の切実な願いが世界に伝わることを願う」と述べた。
シドニーとメルボルンの慰安婦像の本体のデザインは同じであるが、設置を推進したグループは違い、そばに据えられた碑文の内容などは大きく異なる。どこが大きく違うのか、その背景には何があるのかを分析する。

1) 像の概要
写真はAJCNの協力者が撮影、提供したものである。
Melbourne3
韓人館ビル、事務所前の駐車場スペースに像は設置されている。床面左右に碑文(英語とハングル語)が設置されている。

http://nadesiko-action.org/wp-content/uploads/2019/12/Melbourne4-e1577595881793.jpg
少し離れて、道路から。メルボルン韓人館事務所前は、あまり人が来ない場所だが、道路に面しているので像は歩行者から簡単に見えるところにある。

メルボルンの像の設置を推進したのは韓国の華城市と市民グループMCWM Task Force (Melbourne Comfort Women Memorial Task Force)であった。これに対しシドニーに設置したのは北朝鮮とのつながりが強い正義連:日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(旧称韓国挺身隊問題対策協議会)の指導下にあるFCWS (Friends of Comfort Women in Sydney) であった。MCWM Task Force による除幕式の告知はFCWSのFacebookのホームページに紹介されていることからこれら二つのグループが連携していることがわかるが、二つの像のそばに設置されている碑文の内容を見ると明らかに姿勢が異なる。

2) 主文の内容の比較
(アッシュフィールド市に設置の碑文)
設置者はシドニーの韓国系居住者、正義連と韓国京畿道城南市。

Statue of Peace

In memory of the history of suffering endured by the young girls
and women known as “Comfort Women “ who were forced
into a sexual slavery by the military of the government
of imperial Japan.

We hope for the restoration of honour for the victims through
an official apology and legal reparations by the Japanese government
and that such violence and crimes against humanity by war never
be repeated in the future.

6 August 2016

Sydney Korean-Australians and their Australia’s friends
for human rights and everlasting peace.

The Korean Council for the Women Drafted 
for Military Sexual Slavery by Japan

Seongnam Citizens Republic Korea



(メルボルンに設置の碑文)
設置者はメルボルン全市民と韓国京畿道華城市。
Comfort Women、forced into sex slavery、日本政府に対する公式の謝罪と法的賠償要求
の文言なし。文中、メルボルン市民が「people of  Mebourne 」とエルが抜けているのは急いで作成したからであろう。それはさておき、どこにも「韓国Korea」、「日本Japan」、「慰安婦comfort women」、「性奴隷sex slave」の文字やお決まりの政治的な主張がない。これではこの像が、ベトナム戦争中に韓国兵がレイプ、虐殺したベトナム女性や韓国軍用の慰安婦たち、彼女たちとの間に生まれベトナムに置き去りにされ、差別されているライダイハン達なのか、2002年6月13日韓国楊州市で起きた駐韓米軍所属の装甲回収車による轢死事件の犠牲者である2名の女子中学生か、はたまた第2次大戦中の日本軍慰安婦の約40%を占めた日本女性を悼んでのものか判然としない。華城市長が除幕式の時に述べた「日本軍の性奴隷蛮行を世界に知らせる趣旨」に気づく豪州人はまずいないであろう。
これまで設置された世界各地の慰安像の碑文と比較すると、非常に腰の引けた碑文になっている。明らかに現地での人種対立、政治的軋轢を避け、現地推進者がラディカルな活動家と見られたくないという意図が透けて見える。これは慰安婦像設置反対運動を続けてきたAJCN、現地の日本人それをサポートしてくれた豪州人の周囲に対する働きかけの賜物と言える。

Among the awakening haze on the mountain
streams in August, lies a hidden story of a
yellow butterfly fluttering away.

However, no matter how hard you conceal
the past, what could possibly stop it from
revelation?

As we have unraveled the butterfly’ s hidden
story, the peace loving people of Me(l)bourne
and Hwaseong have united to overcome a
painful past.
In the face of this new hope we dedicate the
Peace Statue.

                  14 November 2019
            From all Melbourne and Hwaseong people


3) モナッシュ市長あての手紙
AJCNは11月初め、設置された場所の行政区であるモナッシュ市のSane McCluskey市長にメルボルンの慰安婦像除幕式が執り行われることについて懸念を示す手紙を送った。8ページにわたる長文であるが、豪州における慰安婦像の本質、中韓反日団体による第一次慰安婦像設置推進運動から始まり、第二次設置推進運動で周囲の反対を押し切ってアッシュフィールド市の教会裏に設置され、そして今メルボルンで設置されようとしている現在までの経緯と推進者たちの背後にいる外国勢力について写真や付属資料で詳細に説明した。
この手紙の全文はAJCNのブログで公開予定。http://jcnsydney.blogspot.com/
AJCN はこれに対する市長名での返事のレターを受領している。
問題は私有地である韓人会館に仮置きされた後の移設先であるので、公共用地や多くの市民の目に触れる場所に建てることは問題であることを強調し、コミュニティーの安寧を乱さないよう協力を依頼した。市長からは本件については認知している、公共の場所への設置申請は出ていないとの返事をいただいている。
慰安婦問題をめぐるメルボルン韓人会、市民グループMCWM Task Forceの活動は、慰安婦映画映写会、除幕式程度でイベント参加者も少なく、在メルボルン日本総領事館前での水曜デモも行っておらず、シドニーに比べると大人しい。慰安婦問題は、中国共産党のプロパガンダを統括する機関「統一戦線」(中国共産党中央統一戦線工作部)と北朝鮮政府の日米、日豪分断工作のためのツールと豪州政府も認識し、慰安婦像設置推進団体および個人は豪州保安機関のサーベイランスの対象となっていると聞く。北朝鮮経済スパイの摘発、中国の浸透に対する対抗策の強化、孔子学級の閉鎖等中国、北朝鮮に対し厳しく対応する豪州政府の監視の目が注がれる状況下で、メルボルンの慰安婦像設置推進団体が彼らの運動をHigh Profile化しないのは当然であろう。




AJCN支援者の方々へ


日頃のAJCNに対するご支援、励まし誠にありがとうございます。

昨年9月から10月にかけてAJCNのオペレーションを変えることを決め、11月1日から下記の新しいオペレーションで活動しておりますのでお知らせいたします。山岡鉄秀氏からAJCNを離れてAJCNとは別の「日本エア野党の会」ほかのボランティアの枠に留まらない活動に注力したいとの意思表示があり、これを了承し山岡氏は10月末にてAJCNを退会しておりますので、ご承知おきください。なお山岡氏はこれからのAJCNの活動には原則干渉しないと宣しております。

オペレーションの変更の推移

  1. AJCNは2014年4月6日にJCNとして発足し、当初山岡鉄秀氏が代表、江川純世氏が事務局長として活動を開始しました。
  2. 2015年2月に山岡氏が個人的理由で東京に転居した関係で、AJCNの体制については、代表は山岡氏のままとしAJCNの豪州における活動を日本に伝える広報と日本における人脈、関係機関とのパイプ作りに専念し、江川事務局長は豪州における運動の計画とその実行、メンバー間のコミュニケーション維持と、両者の役割を明確に分け、Two Heads(二頭)体制の運営を行ってまいりました。
  3. 2019年9月のコアーメンバー会議にて、AJCNのすべての意思決定をTwo Heads制からコアーメンバーによる合議制に変更することを参加者全員で決定いたしました。この会議の後、「代表」がコアーメンバーによる合議結果を承認する方式を主張していた山岡氏から、自分が代表のまま、AJCNの活動を休止(休会)したいとの提案がありましたが、シドニーで昨年8月に韓国政府が支援する反日イベントやデモが行われ、メルボルンでは11月14日に慰安婦像の除幕式が開催され、メルボルン韓人会館前に慰安婦像が置かれている状況下で、AJCNの活動を緩めるわけにはいかないとの判断に基づき、次のようなAJCNの新たなオペレーションへと移行しております。


具体的な新オペレーション


  1. 11月1日からAJCNの活動の実務は、今まで通り事務局長が指揮をとっています。(代表兼務)
    AJCNへのコンタクトは従来通りjcnaus@googlegroups.comまでお願いします。今後AJCNは組織として山岡氏個人の活動に関与いたしませんのでその点ご留意ください。
  2. AJCNは2017年5月1日よりNGOとしてNSW州の団体法(the Association Incorporation Act 2009)により登録したNGOとして活動してきました。登録のメリットは、団体としての口座が保持でき、寄付者の免税の特典があるため寄付を募ることが比較的容易にできること、社会的信用が付与されるなどがあります。一方、豪州で登録したNGOはPublic Officer(団体の責任者/事務局長)の個人情報の登録(一般が閲覧可能)、年一回の総会開催、議事録作成、財務情報、メンバー情報の管理など事務方の負担には重いものがあります。
    ストラスフィールド市の公共用地への慰安婦像設置を阻止し、第二次慰安婦像設置推進運動に対しても、アッシュフィールドの教会裏に像を封じ込め、教会の牧師に対する豪州人権委員会への苦情提出・仲裁裁定申請などにより、慰安婦像設置推進運動をはじめとする反日活動はかなり下火になっていて、活動は任意団体に移行しても支障はないと判断しました。(上記の活動はすべてNGO登録以前のものです)
    現在NGO登録の抹消の手続きを終え、州政府からの最終通知を待っている段階です。


慰安婦像設置反対、反日活動阻止活動からスタートしたAJCNの活動の根幹は、日本人の子供達をいじめから守る、日本国・日本人、英霊の尊厳を貶められることを防ぐ事にあります。AJCNメンバーは任意団体に移行後も有事の際は、ボランティア活動を基本としてしっかりと対処していきます。そのアウトプットの一端はブログをお読みいただければ知ることができます。皆様においては今後もAJCNの支援を何卒よろしくお願いいたします。 
                       

2019年1月17日
AJCN 事務局長兼代表  江川純世