朝日新聞集団訴訟代2回公判における意見陳述 1



2016年1月29日


慰安婦像設置反対運動のさなか、豪州で反対した人間が何をされたか!

-オーストラリアからの2名による意見陳述内容 その(1)-



朝日新聞に対し、原告25,000人の集団訴訟が行われています。慰安婦問題に関する朝日新聞の誤報、捏造報道によって、日本人の名誉が傷つけられたと名誉毀損の裁判がスタートし、10月14日、第1回口頭弁論が行われました。12月17日の第2回の公判には、3名の意見陳述者が東京地裁でそれぞれの意見を陳述しました。
AJCNはメンバー個人の政治的宗教的信条について全く自由ですので、この裁判にも複数のメンバーが原告に加わっています。今回、原告事務局からの要請に基づき、オーストラリアから2名の日本人が東京に出向いて意見陳述を行いました。ブログでは2回に分けてその意見陳述内容を掲載いたします。

アメリカでは慰安婦像が建ってから、子供のいじめ、日本人に対する差別などが行われていると聞いています。なかなかカミングアウトできないため、「都市伝説だ」との言われ方もしたようですが、関係者の地道な調査でそれらが事実であることが確認されています。

豪州ストラスフィールド市での慰安婦設置反対運動の渦中にいた事務局長は、決着が付いた2015年8月11日までの経過を詳細に記録しており、それに加え反対運動をしてきた日本人、豪州人に対し何が起きたかも、この機会に調査し、詳細、具体的な資料をまとめました。この資料を基に5分から7分の短い時間で意見陳述を行うための陳述書にまとめたものが、この記事”オーストラリアからの2名による意見陳述内容 その(1)”です。今回の日韓合意により、日本および日本人の誤ったイメージが世界中に拡散されました。これが定着すれば、海外に住む日本人、日系人がどのような目に合うか、日本政府はよく認識していただきたいと思います。

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陳 述 書

平成27年12月17日


私はAと申します。2001年7月から日本企業の現地法人に日本人トップとして派遣され、その後 リタイアーし、通算14年間シドニーに在住しています。

平成26年(2014年)2月から、シドニーで慰安婦像設置問題が起こり、それによって、私自身と家族、そして周囲の人々がどのような影響を受けたかを述べたいと思います。私は現在慰安婦像設置反対の立場で活動する市民団体 オーストラリア ジャパン コミュニティ ネットワーク(AJCN)で事務局長を担当しています。AJCN代表から誘われ、2014年4月1日のストラスフィールド市の公聴会に参加したのがきっかけでした。慰安婦問題についてはネットを通じて知識がありましたので、アメリカのように像が設置されたら、日本人、日系人に対するいじめが必ず発生するだろうと考え、豪州に住んでいる邦人の安全を守ることを第一に考えAJCNに加わりました。

慰安婦像設置問題に最終決着をつけた今年8月11日のストラスフィールド市の特別市議会までの17ヶ月の間に、私は多くのオーストラリア住民やメディア記者達と意見交換を行ってきました。韓人会、反日団体のメンバー、ストラスフィールド市市議会議員、豪州の全国およびローカルメディア、大学教授達これらすべての発言や記事は、朝日新聞の1992年1月からの報道を下敷きにしていることがわかりました。具体的には、「日本軍が、20万人(~30万人)の韓国人、中国人の若い女性を強制的に拉致、連行して、性奴隷として働かせた。」という1行が彼らの頭に刷り込まれ、「日本人は悪いことをした。」という認識が浸透しています。慰安婦像設置に関するストラスフィールド市民の意見サーベイにおいても、調査担当者がこの1行を事実として説明に使いました。すべての発端は朝日新聞が32年間垂れ流し続けた誤報なのです。

慰安婦像設置反対運動を行ってきた私の懸念は、在豪邦人の身の安全の確保であり、この心配は今後も続くでしょう。韓国、中国の反日政策と徹底的な反日教育により、両本国では親日は売国的行為であり、反日は愛国的行為と見なされ、犯罪を犯しても微罪にしか問われません。海外に移住している両国民の中にも、今回の慰安婦像設置推進運動に参加している人たちのように、日本政府、邦人に対し恨みを表明している人たちが確実にいるのです。シドニー韓人会サイトに連日のように掲載されていた日本政府と、慰安婦像設置反対派に対するヘイトスピーチは、現実に起こっている暴力事件や差別的行為につながっています。

慰安婦問題はストラスフィールド市のコミュニティも分断し、暗い影を落としました。
オーストラリア人でありストラスフィールドに住むAJCNの副代表は、彼の所属するコミュニティで、韓国人の家庭で起こった事件を語ってくれました。父親は慰安婦問題に激高して、韓国に戻り、軍隊に入って日本と戦うと言い出し、母親と息子は「2人はオーストラリアに残り、生活する」と反対し家庭環境が崩壊しました。またこの副代表の息子は、ストラスフィールドで同じ学校に通う韓国人の親友と、親の世代の対立とは無関係に2人は友達同士でいようねと涙を流し誓い合ったということです。

バンダリズム(暴力事件)も起こっています。
慰安婦像問題に関心があり、AJCNに協力してストラスフィールド市議会にも足を運んでくれた男性が被害を受けました。
彼の自宅のブロックの周りをアジア系の男達が徘徊し、その数日後、自宅近くのショッピングセンターの駐車場に駐車していた彼の自家用車の前輪タイヤ2本が切り裂かれました。この事件は警察署に報告され、警察からは自宅のセキュリティ・レベルを上げるよう指示を受けましたが、この家族は勤務している会社と相談して他国の事業所に転勤していきました。

またAJCNの副代表は自宅駐車場がブレーク・インの被害にあいました。タイミングは8月11日の特別市議会の直前ですので、私は反対派の脅し、警告と考えています。駐車場奥の物置が壊され、更に車へ侵入しようとしたらしく車のキー・ホールも破壊されました。

慰安婦問題が顕在化してから、職場で中国人や韓国人のマネージャーに差別され、確たる理由もなく解雇された事例が複数報告されています。また日本人学生が大学で中国人、韓国人同窓生から差別行為を受けた事例もあります。「過去の過ちを認めたほうが良いのではないか」、「慰安婦像設置に反対などしないほうがよいのではないか」と外国人、日本人から面と向かって言われることも珍しいことではありません。

最後に私の事例をお話します。
安穏なリタイアー生活という甘い夢はAJCNに加わってからすぐに吹き飛ばされました。AJCNの立ち上げ時と8月11日の特別市議会前には事務局として繁忙を極め、睡眠時間が1日4時間ほどでした。市議会がいつ、どのように審議、決定するのか分らないため、緊張が続き精神面でも大きなストレスを抱え苦しみました。
出歩くときには自衛用のナイフを持ち歩き、周りのアジア人に注意を払うようになりました。家族、特に娘は、外出を控え、帰りも夜遅くなることを避け、車で大学への送り迎えをしています。住所が特定されることを極力避け、ブレーク・インに備えて、玄関に防犯チェーンを新たに設置。さらに日本刀と長尺のナイフを玄関そば、すぐ手に取れる場所に配置しました。8月11日の数日前には見たことのない中国系の男が、我が家を長時間見張っているのがわかり、私が外出中であったこともあり家族は非常に怯えました。

このように、朝日新聞の報道に端を発する慰安婦問題は、無関係な海外在住の日本人や、韓国人の家庭にまで非常にネガティブな影響を与えています。このインパクトの大きさを考えれば、誤報では済まされないでしょう。朝日新聞には、表現を意図的に曖昧にすることなく、豪州や北米で自らが撒いた反日の種を刈るべく全力で努力して頂きたいと心から思います。

以上