慰安婦(像)問題の背後にあるビッグ・ピクチャーと登場人物


Cheers 2017年3月号記事




慰安婦(像)問題の背後にあるビッグ・ピクチャーと登場人物




皆さんご存知の通り、慰安婦(像)問題をめぐり日本と韓国との間で在韓大使、総領事の召喚、スワップ交渉の中断など大きな動きがありました。大使と総領事の帰国は1か月を超え、日韓関係は冷え込むばかりです。
豪州でも前号でご紹介したように匿名の殺人予告メールが韓国在住の男からAJCNに送りつけられました。AJCNは本件を警察に届け出ました。AJCNから提出した背景説明の内容に驚愕した地元警察は、上部組織にレポートし、International&Political なイシューとして連邦警察で取り扱われることになりました。

慰安婦(像)問題に絡んで、反日団体が決起集会を開いた2014年2月から現在まで、様々なキャラクターが登場しました。AJCNは彼らの背後にある組織やその目的を把握し、裏に中国共産党の大きな戦略「ビッグ・ピクチャー」の存在を確認しました。この号では主な登場人物、組織を具体的に取り上げてみます。


1.第一次慰安婦像設置運動
(2015年8月11日にストラスフィールド市によって設置提案は否決)
ストラスフィールド駅前の広場に慰安婦像を建てようという建議を提出した組織はKACAという反日団体です。(The Korean Committee of United Austral Korean-Chinese Alliance against Japanese War Crimes)
KACAは2014年9月に8つの目標と称する宣言を韓人会誌に掲載しました。全く政治的な内容で、KACAは韓国と中国の利益のために働くとまで言い切っています。
2014年7月の安倍首相来豪時に、日本を非難するオープンレターを国会議員、州議、メディアにばらまくとともに、キャンベラ国会前でデモを行いました。

当時のリーダーはストラスフィールド市副市長のSang Ok市議。2015年からLuke Song前韓人会会長へと交代しました。Luke Song KACA会長は韓人会会長当時、安倍内閣と在豪日本人に対し、過激なヘイト・コメントを韓人会サイトに書き込み続けました。しかし、この戦いの中で反日韓国人グループは、ボクシングでいえば、拳闘グローブ、中の拳が中国共産党でした。スリーシスターズと呼ばれた慰安婦像は中国人デザイナーによるもので、制作資金も中国から出される予定でした。


2.第二次慰安婦像設置運動
 第二次慰安婦設置運動がスタートしたきっかけは、2015年12月28日の慰安婦問題に関する日韓合意です。これに反発した挺身隊問題対策協議会(挺対協)という北朝鮮と関係の深い韓国の政治団体が、水曜デモを2016年1月からスタートさせました。
これに呼応してシドニーでFCWA(Friends of Comfort Women in Australia)とProject Group Sysochu(Peace Statue Establishing Committee in Sydney)というプロジェトベースのグループが結成されました。メンバーは重複しており、実質は一つの組織です。
これにThe Korean Cultural Centre Inc.や韓人会といった既存の組織に所属するメンバーが加わっています。実働部隊の数は30人ほどで20代の若者中心です。
彼らの活動の目的は、日韓合意の破棄と日本政府への賠償金の支払いと政府としての謝罪要求です。挺対協がスポンサーとなり、すべては挺対協の指示のもとに準備が進められました。2016年8月6日の慰安婦像披露式に登場した関係者について少し詳しく説明します。


1) 挺対協とユン・ミヒャン代表
教会への像持ち込みの主役は挺対協(挺身隊問題協議会)という、北朝鮮と関係が深い政治団体でした。挺対協の主導で、韓国の反日教育に洗脳された若い韓国人ワーホリや学生などを中心に設置運動を進めました。下は2016年6月ソウルの挺対協のオフィスで挺対協代表 ユン・ミヒャンと打ち合わせをするFCWAのメンバー。


像はすでに30体ほど製作されており、これから全世界にばらまかれるようですが、その資金を出しているのが挺対協です。今回の慰安婦像も挺対協が提供しています。


像のそばの銘版にはスポンサーが挺対協、城南市そして豪州の韓国系住民有志であると明記されています。挺対協は今、朴大統領政権打倒と親北左派政権の実現に向けて政治活動を続けるとともに、韓国ばかりでなく世界中に慰安婦像を建てるための工作を行っています。ユン・ミヒャンは8月6日の除幕セレモニーに出席しています。彼女の親族と挺対協のメンバーはスパイ罪で韓国で逮捕されています。



2) 李在明(イ・ジェミョン)
日本を軍事的敵性国家と呼ぶなど過激な発言から「韓国のトランプ」とも言われている韓国次期大統領選に出馬したイ・ジェミョンはソウルの南隣の城南市長です。城南市は教会への慰安婦像設置のスポンサーであり、像序幕セレモニーでイ・ジェミョンは、前天皇をヒロヒトと呼び捨てにし、戦争犯罪人であると非難し、像の設置は国家のプライドに係わる政治的な問題であると演説しました。


大統領選のトップを走る文在寅(ムン・ジェイン)も親北派ですが、イ・ジェミョンは彼に輪をかけた左派です。候補者全員が日韓合意を破棄、再交渉すると公言していますので、そうなったら日韓関係は最悪のものになります。次期大統領が親北派になると、北朝鮮と連邦制のもとでの統一が検討されるでしょう。トランプの米国が強く韓国の動きを制御しない場合、韓国は中国の指導下で統一に向けて走る可能性が高い。北朝鮮に飲み込まれ、韓国が共産化するのは時間の問題です。韓国が完全に中国の属国になったら、民主主義制度に慣れた多くの韓国人が海外に逃れます。富裕層はカナダ、米国、豪州へ、貧困層は船で日本へ難民として押し寄せるでしょう。その時日本の国防ラインは対馬沖となり、日本は多くの韓国人難民をどのように扱うか考えねばなりません。


3) ビル・クルーズ牧師
Ashfieldの合同教会(Uniting Church)の責任者であり、慈善団体 Exodus Foundationの代表です。今回の慰安婦像設置騒動の主役の一人です。


彼は非常に攻撃的で、ストラスフィールド市議会が慰安婦像を却下したことに激高したので、慰安婦像を建てて加害者に謝罪させると公言しました。
AJCNが韓国が独自の慰安婦制度を朝鮮戦争とベトナム戦争中運営していたこと、韓国がベトナム人女性を大勢強姦して虐殺したことにはどう対処するのかと質問しても答えず、彼は日本および日本人だけを加害者として公の場で非難しています。彼と合同教会が全く話し合いに応じようとしないので、AJCNはやむなく人権委員会へ苦情を申し立てたのですが、それを聞いて、彼はメディアに「さあかかってこい!像の設置場所を変えるとすれば、今より目立つところに置くだけだ」と述べました。彼の言葉は宗教家とは思えないほど攻撃的です。ストラスフィールド市民の70%以上が市の調査で慰安婦像に反対した事実に敬意を払わず、コミュニティの分裂、いじめ、差別、韓国人の違法売春などの目の前にある問題を無視、合同教会の信者を始め、周りの多くの人々が示す懸念についても聞く耳を持ちません。合同教会は2013年に聖職者による性的暴力の被害者に200万ドルの賠償金を払っていますが、自分たちの過去は棚に上げてしまっています。