2.7 未来に禍根を残すな!「慰安婦日韓合意」 国民大集会におけるAJCN代表のスピーチ


2016年2月8日



「頑張れ日本!全国行動委員会」が主催、2月7日に永田町の星陵会館で開催された『2.7 未来に禍根を残すな!「慰安婦日韓合意」 国民大集会』 にAJCNの山岡鉄秀代表が登壇、スピーチを行いました。
登壇者の中でただ一人、パソコンでパワーポイントを使ったスピーチは、非常に具体的な提案を含めたユニークなものでした。このときのスピーチ内容はメッセージ性があるものですので、ブログに掲載いたしました。なお聴衆は450人から500人ぐらい集まったようです。

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皆さま こんにちは。最近、色々な方から、「AJCNレポートを読んで、今回の日韓合意が海外でどう報道されているか、よく理解できたから、次にどうすべきかに焦点を当てて発信して欲しいと言われますので、今日は海外で実際に中韓反日団体と戦ってきた経験に基づいて、今回の慰安婦日韓合意について意見を述べさせて頂きます。

今回の合意を外交的勝利と評価する方もいらっしゃいますが、現状は文字通り宙に浮いた状態で、何ら進展しておりませんし、反日活動はむしろ激しくなっております。

現時点で政府の見解は、「今は韓国政府のご苦労を見守るのが正しい姿勢」とのことですが、我々AJCNの見解は異なります。様子見期間は終了しました。ここからは、明確なゴールを設定して、そこへ向けて誘導すべきです。

さて、韓国は今、何を考えているでしょうか。我々の経験を踏まえれば、次のように考えていると推察できます。

民間の反日活動を放置し、日本が如何に酷い国かを世界にアピール。
無条件で10億円を払うのが当然だという国際世論を醸成。
マスコミ誘導、ロビーイング強化。

大使館前の慰安婦像は民間が設置したので政府には何もできないのに、日本政府は撤去が10億円拠出の条件であるかのような理不尽なことを言うので、活動家の説得に失敗したと主張する。

強制連行の否定は妄言であり、韓国国民を激怒させ、日本政府自ら合意の履行を不可能としたと主張する。

日本政府が10億円払えばしめたもので 韓国側の約束は履行せず、民間の反日活動を放置して合意を骨抜き。ユネスコにも民間主導で申請。これまで通り、裏から民間の反日活動を支援。

日本政府が10億円払わなければ、日本側の理不尽を糾弾し、日本を最大限悪者にして合意を破棄、または棚上げにして、国民を喜ばせ、反日の国是を正当化し継続する。

どう転んでも韓国の勝利!
  失う物は何もない!
   日本政府の悪意を粉砕!
    正義は常に韓国にある!

最後は自分たちだけ独り勝ちするための布石を打ってくる。まあこれが、彼らの典型的な発想なわけです。我々は直接対峙してきましたので、よくわかります。

実はここまで書いたところで、韓国外交部が1月20日に国民向けにウエブサイトで発表した「慰安婦日韓合意Q&A」の全文を入手いたしまして、読んでみましたところ、何のことはない、上記の分析を全て裏付けることが書いてあるのです。いくつか例を挙げましょう。

不可逆性とは政府レベルに限ったこと。
民間の活動は制約されない。

研究および教育などを通じ未来世代に慰安婦問題の真実を知らせ、再発を防止しようとする努力は最終的、不可逆的とは無関係であり、政府は今後このような努力を継続し、記念館設立も推進していく。

不可逆的という表現は日本が今後、合意を覆したり逆行する言動をしてはならないという意味を内包している。

すなわち日本の反論は許さない!ということですね。

案の定、すでに骨抜きにする布石を全部打っています。これではっきりしました。

かかる状況で、日本のゴールをどう設定すべきでしょうか?二段階に分けて考えるべきだと思います。

まず、

「日本は最大限の譲歩をして誠意を示した。しかし、和解が成就しなかったのは、韓国側のあまりに理不尽な態度が原因である」という客観的な事実を残すこと。

これが大切です。次に、

体制を整えて、官民一体で本格的な情報戦に挑み、10年、20年かけて日本の名誉を回復していくこと。

今回の合意発表で、海外で日本の名誉は取り返しがつかないほど傷つけられています。

この目標を見据えて、日本は今、何をすべきでしょうか?まずすべきことは、

大使館前の慰安婦像はウイーン条約違反なので、いずれにしても撤去するのが当然であると世界に発信する。

今回の合意に含まれていようといまいと関係ありません。条約違反の違法建築物は撤去して当然です。

水面下で韓国政府に伝えても無意味です。すでに相手は「民間が作ったモノを政府は動かせない」などと詭弁を弄していますが、日本政府は何も反論していません。我々は情報戦を戦っていることを忘れてはいけません。相手に非があることを、世界に発信しなければ意味がありません。

さららに、次のように世界に発信すべきです。

「北朝鮮が水爆実験やミサイル発射を敢行する厳しい国際情勢において、過去に拘泥するあまり、目の前の現実的な危機への対応に不備があってはならない。安全保障という至上命題に対し、韓国が日米と連携することを強く要請する」

この当然のことを、はっきりと、世界に向けて発信する絶好のタイミングです。韓国はおそらく、「歴史から目をそらさせようとしている」などと反発してくるでしょうが、こちらに理があるのですから、原則論で毅然と対応し、常に安全保障の重要性を前面に主張すべきです。こちらから合意を破棄することはしません。あくまでも、韓国側に、履行するか破棄するかを選択させるのです。

さらに重要なことは、米国に対して、「日本は最大限努力し、譲歩した」ことをしっかりと説明することです。



さあ、ここで、日本にとっての外交的勝利とは何か、しっかりと再定義しておく必要があります。それは

日本の名誉を守りながら、韓国に安全保障で協調させること。

です。

目標はあくまでも、安全保障の強化であり、日韓和解はそのための手段のひとつでしかなく、目的ではありません。必要条件でもありません。そこをはき違えて、国の名誉を売り渡してはいけません。韓国に協調を拒否するオプションはないのです。

今、日韓合意の賛否を論じることは、出血多量のけが人を前に、「あの手術は正しかった、間違っていた」と議論するようなものです。すぐに止血しなければ死んでしまいます。

真の外交的勝利に向けて、全ての保守が結束すべきです。そのことを訴えまして、私どもからのメッセ―ジを終わらせて頂きます。