ローマ法王フランシスコが8月13日から18日まで韓国に滞在しました。
この機会を狙って、7月26日、Kim在豪韓国大使が、南オーストラリア州アデレードに住むJan Ruff O'Herneさん宅を訪問し、彼女が書いたローマ法王宛の親書を受け取ったと報じられました。(ハンギョレ新聞)
この手紙の内容は、4月1日のストラスフィールド市の公聴会でJanさんの娘さんがスピーチした内容と同じであることは容易に推察できます。慰安婦問題と、Janさんが被害にあった戦争犯罪である、いわゆるスラマン事件(または白馬事件)は、本質的に異なります。Janさんが幽閉されて性行為を強要されたという後者は、明らかに現場部隊による逸脱行為であり、通報を受けた日本軍の上層部によって摘発され、関係者はその後戦犯として死罪を含む処分を受けています。この本質が異なる問題を混同させるのは、日本を貶める常套手段です。
90歳を越える高齢のジャンさんが本当に自分で手紙を書いたのか、韓国側で代筆したのか、真相はともかく、何が何でも法王に慰安婦問題に言及させたいという、韓国政府の執念が感じられます。
ローマ法王の訪韓が政治利用されることが危惧されていました。
これに対しJCNでは、オーストラリアの慰安婦像設置問題の現状を法王およびバチカンに知って頂くため、手紙を作成し送付しました。
幸い、バチカンサイドは韓国側の”ナヌムの家”訪問の依頼を拒否、滞在期間中、法王も一切公式には慰安婦問題に触れた発言をしませんでした。韓国側は18日に行われたミサにいわゆる元慰安婦を7名参加させ、慰安婦バッチを手渡すなどをしましたが、ローマ法王を政治的に利用するには至りませんでした。
バチカン公国はキリスト教徒というエージェントを使った世界最大の情報国家であり、その情報収集、分析能力はアメリカのCIAやイギリスのMI6以上とも言われています。またネットワークを使った集金システムは、一時フリーメーソンのシステムともつながり、巨額の投資を世界中で行っています。政治的には強い反共組織です。
今回の韓国の反日慰安婦運動と距離をおいた対応は、バチカンの正確な状況把握と判断のもとで行われたものでしょう。我々JCNの手紙に書かれた内容もバチカンのファイルに記録されたことでしょう。
ローマ法王は韓国のフェリー、セウオル号の沈没事故に際し、「韓国人は倫理的にも霊的にも生まれ変わることを望む。」 と発言し、今回の訪韓時には「もしわれわれに過ちを犯した人間を許す準備ができていなければ、どのように平和と和解のために正直な祈りを捧げることができるのか。」と発言しました。どちらも含みのある言葉です。
なお法王が離韓直前に行った記者会見で、朝日新聞と同じ中韓擁護派の毎日新聞の記者(共同通信の記者も熱心だったとのこと)が、韓国まででかけ執拗に慰安婦問題についての質問をし、法王のコメントを引き出そうとしましたが、法王の回答は一般的なもので、元慰安婦に同情の念を示しながらも、宗教家として政治的に利用されない姿勢を貫いたのは立派でした。